本文へスキップ

セント・ルカ産婦人科では不妊治療と一般婦人科疾患(お産以外の女性疾患)の診療を行っています。

電話でのご予約・お問い合わせはTEL:097-547-1234

(電話受付時間:月・水・金曜日 14:00〜17:00)
〒870-0823 大分県大分市東大道1-4-5

赤ちゃん〜今ならきっと授かる〜講座 卒業生のお話

<2020年2月8日開催>

 みなさん、こんにちは。私は、セント・ルカ産婦人科の卒業生です。本日は、私が赤ちゃんを授かるまでのお話しをさせていただきます。

 私は、2017年9月に36歳でセント・ルカの通院を開始し、8ヶ月後の2018年5月に37歳で妊娠し、2019年2月に38歳で娘を出産しました。ただし、私はセント・ルカの前に、A病院とB病院、2ヶ所の病院にそれぞれ半年程度通院しました。セント・ルカでの体験のお話の前に、この2ヶ所での私の妊活体験を少し聞いてください。

 私は2015年11月、34歳で結婚し、すぐに妊活を開始しました。そんな時、母が体調を崩し、同時に介護もスタートすることになりました。仕事をかかえ、慣れない介護、そして妊活…そんな中で通院したのはAという、大分にある専門医でした。そこでは卵管造影という痛い検査を受け、特に問題ないということで、タイミング法から始めることになりました。
 このタイミング法の期間は約半年でしたが、果てしなく長く感じました。通院する時間がもったいなく感じ、また病院の雰囲気も自分には合わないと感じました。ぎゅうぎゅうの待合室、走る回る子ども、やたら冷たい看護師さん。妊活初心者の私は、タイミング法なら家でもできる!お互い疾患がないなら自力で妊娠できる!と思い、通院をやめました。
 しかし、その後やはり妊娠せず。ルカで妊活成功した友人からは「ルカに早く行った方がいい」と勧められてはいたのですが、どうしても勇気がでませんでした。「先生こわいって聞くよなぁ…」、「めちゃくちゃ待つって聞くよなぁ…」と、行かない理由ばかり探して、結局、私はBという病院に通院を開始します。
 2017年の春、私は36歳になっていました。

 Bは、レディースクリニックで、不妊治療の専門医ではなかったのですが、人工授精までできるということで、かなりの期待感を持って通院していました。そこで、また卵管造影検査から治療がはじまるのですが、私は仕事の昼休み、制服のまま病院へ行き、卵管造影を受け、検査が終わると股には綿を詰められ…。自転車を立ち漕ぎして仕事に戻りました。その頃の私は、仕事と妊活の両方にとにかく必死でした。

 次に、フーナーテストという、私の身体に入った主人の精子を調べるという検査に進み、結果を顕微鏡で見せてもらったところ、ん?精子がたくさんいるのに…全く動いていない…。消えそうな声で、「精子が悪いんですか?」と先生に尋ねると、「精子は問題ない。問題があるとすればあなた側でしょう」と言われました。
私の身体が、大事な精子を皆殺しにしている…。
恐怖で体がこわばりました。夫婦ともども今までの検査で不妊の原因となる結果は何もなかったのに…。
もうダメだ。旦那さんに申訳ない。
家に帰ってきた主人に、その日の話をしながら、私はヘタヘタと座り込み子どものように声をあげて泣きました。
「もう妊娠できない。神様がそう言っているんだよ。ダメだ! ダメだ! もう終わった!」
取り乱している私に主人は冷静に、「次に何をやるべきか教えてくれるのが検査でしょ? 人工授精や体外受精に進んだ方がいいってことがわかったんだから、良かったじゃん!」と言いました。
へ?あ、そうか。気がついたら主人と笑顔で握手をしていました。

 その後、B病院では人工授精を4回しましたが、妊娠しませんでした。
そして7月になり、母が亡くなりました。
父も既に亡くなっている私は、両親に赤ちゃんを見せてあげられなかった…
私は、やっと…やっとこさルカに通院することを決めました。
母を一緒に介護してくれた主人を、何が何でもパパにしてあげたい! 
こわい先生に怒られたって、仕事との両立が大変だって、絶対絶対パパにしてあげるんだ!
誰かのために頑張ると決めたとき、恐怖心は消えていました。

 ルカに通院し、すぐにB病院で受けた卵管造影の薬が身体にべったり残っていて、手術で綺麗にしないと妊娠しにくいということが分かりました。
えー!専門医でないところで治療することのリスクがここまでとは…!
私の時間! お金! 立ち漕ぎ! 全部無駄…無駄どころか、マイナス!
 11月に腹腔鏡の手術を受け、その後1月には体外受精に進みました。初診から半年かからず体外受精。私の年齢、過去の治療実績を踏まえて、治療を進めてくれたルカには本当に感謝です。
ただ、1月の体外受精の翌日、仕事でイベントがあり1日中動きっぱなし…昨日体外受精をしたので今日はせめて座らせて…なんてとても言えず、結局その後生理がきました。
3月に再度採卵しましたが、卵は0。ルカに通院を始める時、仕事は辞めてもいいという覚悟ではいましたが、主人の後押しもあり私は3月に15年勤めた職場を辞めました。
 仕事を辞めた翌月の4月に採卵し、5月に移植し妊娠! 
不思議なものです。ここまで採卵は計3回、移植は2回目での妊娠でした。
 仕事との両立については、本当にたくさん考え、もがき、結論を出しました。私は仕事をあきらめましたが、それが正解だったかは分かりません。でも、後悔はありません。

 私が不妊治療を振り返り、大きかったのは、ルカに通院することを決めたこと。
そして主人に救われたことです。

 ルカは、とにかく施設が綺麗で気分が上がります。生まれて初めての入院も、まるでホテルのように快適でした。治療のスピード感もありがたかったです。看護師さんや培養士さんにかけてもらう優しい言葉も支えになりました。
待ち時間は確かに長いですが、駐車場には県外ナンバーもたくさん駐まっています。来るだけでも大変な思いをされている方々が一緒に頑張っている。私はいつも駐車場で気合と勇気をもらっていました。
 主人については、超理系男子で、優しいけど、頼りになったり気が利くタイプではありません。でも、そんな主人に何度も何度も救われました。通院には出来る限り付き合ってくれ、生理がきたとLINEを送れば、「じゃあ今度は何処に飲みに行こうか?」と返ってきました。「妊活も楽しくやろうね!」が口癖だったと思います。検索魔になる私に「ネットを信じないで院長先生を信じてれば大丈夫!」とも教えてくれました。

  夫婦はチームメイト!1人で乗り越えられないから相手がいる。
その後の壮絶な出産も、怒涛の育児も、まさにチームで乗り越えるしかないと、今痛感しています。
勇気を出して通院を決めた皆さんのほとんどが、そう遠くない将来パパとママになり、髪を振り乱し睡眠不足でヘロヘロになっていて、中には急にルカから電話がかかり慌てて原稿を考えている人もいることでしょう。女性ではなく男性に依頼がくるかもしれません。男性側の話や意見を伝える場があってもいいのかもしれません。

 最後になりますが、いつの日か、どこに住んでいても、どんな仕事をしていても、お金があってもなくても、赤ちゃんを心から欲しいと願う夫婦が、何かを諦めることなく平等に妊活ができる世の中になることを心から祈ります。ご清聴ありがとうございました。


セント・ルカ産婦人科セント・ルカ産婦人科

〒870-0823
大分県大分市東大道1-4-5
[大分駅上野の森口より徒歩2分]
TEL 097-547-1234
FAX 097-547-1221