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<2025年5月10日開催>
今日は皆様の前で私自身の不妊治療をするに至った経緯や体験談をお話しさせていただきます。私がお話させていただく体験談が少しでも皆様のお役に立てたら嬉しく思います。まず私がなぜ不妊治療をするに至ったのかについて話していこうと思います。
私は元々、生理の痛みがなかったのですが社会人になって生理痛がだんだん酷く、時には痛みで冷や汗をかくほどでした。生理痛が酷くなっていることを感じながらもただ痛み止めを飲み、病院に行くことをせず過ごしていました。独身の時にふと1回診察をしてもらおうと軽い気持ちで地元の産婦人科に行きました。ですが、この時に「右側の卵巣が10センチほど腫れている」と言われ、すぐに紹介状を持って地元の大きい病院で診てもらうことになりました。軽い気持ちで行ったはずの産婦人科で頭が真っ白になったのを今でも鮮明に覚えています。
大きい病院に行くまでの間、自分の病気は何だろうと時間があればネットで検索する毎日でした。紹介された病院で診察をしてもらい、「チョコレート嚢胞です」と聞き慣れない病名を聞かされました。どんな病気なのかの説明を受け、その中で、「右の卵巣が10センチも腫れているので破裂する可能性があることから手術をしましょう」と言われ、今まで入院すらしたことがなかった私は手術という言葉にすごく怖くなりました。
仕事のせいにして少しずつ重くなる生理に気づいていながらもすぐに病院に行かなかった自分をすごく責めました。ちょうど結婚が決まった矢先に病気がわかり、妊娠しにくい体になっているかもしれないことで夫にはこれから大変な思いをさせてしまうのではないかと考えれば考えるほど辛くなりました。
私は結婚して大分市に引っ越す予定だったので地元の病院から大分市の別の病院で手術を行う予定でしたが、当時コロナの感染が広まっていたことからその病院での手術が出来なくなり、セント・ルカ産婦人科を紹介していただきました。この時、右の卵巣が10センチ、左の卵巣も7〜8センチありました。手術の方法や手術時のリスクの説明を丁寧に話してくださり、腹腔鏡での手術をしていただきました。
手術後、病気のことがあったので妊娠を希望する時には不妊治療をする方が良いとのことでした。手術後しばらくして夫婦で妊娠を希望した時にタイミング法からスタートしました。3回ほどタイミング法をしましたが授からず、その間にすでに手術をしたチョコレート嚢胞が再発していました。チョコレート嚢胞は再発しやすいとの説明を聞いていたのですが、こんなにも早く再発してしまうのかととてもショックでした。
できればタイミング法で妊娠したいと思っていたので毎回またダメだったと落ち込みました。チョコレート嚢胞の再発があったので人工授精をスキップして、体外受精でやっていく方がいいと言っていただきとても悩みましたが、夫と1回チャレンジしてみようとの話になり体外受精を行う決意をしました。
体外受精をするにあたって、自己注射をしたり毎週病院に通ったりと私の負担が少しずつ増えていきました。チョコレート嚢胞の再発のショック、体外受精と仕事の両立の難しさから自分の中でいっぱいいっぱいになり、夫の前で「もう辞めたい」と泣きながら弱音を吐いたこともあります。夫がそんな私の思いを受け止めてくれたので治療を頑張ることができたと思います。
採卵では3個凍結することができ、すぐに移植できるものだと思っていたのですが、移植をするまでに次はチョコレート嚢胞の手術をもう1度した方がいいのではないかということになりました。この時、移植への道のりがすごく遠く感じ終わりが見えない治療に不安と焦りを感じていました。手術をすすめていただいて手術をして移植まで前向きに頑張ろうしていたのですが、手術前の血液検査の数値で引っかかってしまい、セント・ルカ産婦人科で手術が出来なくなってしまいました。
なんでこんなに私には次から次にうまく行かないことばかり出てくるのだろうとネガティブな考えになっていたのですが、院長先生が紹介状を書いていただいた病院の先生と一緒に今後のことを考えていただき、手術をせずに移植に進めることになりました。1回目の移植で妊娠の判定が出た時にはたくさん悩み、泣いた1年ちょっとのことを思い出したと同時にホッとしました。
私が不妊治療をしてきて大変だったことは、仕事との両立でした。フルタイムで早番、遅番のある仕事をしており、自己注射を決まった時間にすることや通院のためにシフトを変更していただき職場の方に頭を下げながら、仕事をしていたことから精神的にも肉体的にも疲弊していました。また、チョコレート嚢胞の再発からスムーズに治療が進まずただ時間ばかりが流れているような感覚になっていました。早くしないとチョコレート嚢胞も大きくなる一方でとても焦りを感じていましたが、セント・ルカ産婦人科の先生方が悩みながらも私にとっての最善策を考えてくださったおかげで治療を卒業し、今とても可愛い我が子を抱くことができています。
体外受精になると男性と女性で治療の負担の違いが大きくなり、男性の方が通院回数も少なく夫はいいなと感じることも正直ありましたが通院するたびにどんなことをしたと話をしたり、自己注射も夫の前でしたりすることで夫も女性側の大変さを感じてくれていました。また、通院の回数が増えてくると仕事終わりに病院に行き、家に帰り着くのが夜の8時をすぎる日もありましたが夫は家事を積極的にしてくれていたのでなんとか私も治療に専念することができました。
私は自分の病気がわかり、なぜもっと早く病院に行かなかったのだろうと悔やんでいます。
何も症状はなくても検診などで1度自分の体を調べてもらうことは大切だと思います。
不妊治療をする中で想像以上に治療が大変で心も体も疲弊してしまうと思います。それでも夫婦で治療のことについてきちんと話をする時間をもつようにしていたので1人じゃなく2人で頑張っていると感じることが出来ていたと思います。
治療に悩んだりつまづいた時には、少し休んでもいいと私は思います。精神的に壊れないようにケアをすることがまず1番大切だと思うので辛い時にはその辛さを誰かに話して前向きに治療を進めていってほしいと思います。
治療を頑張っている皆様のもとに赤ちゃんが授かりますよう心から願っています。
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