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セント・ルカ産婦人科では不妊治療と一般婦人科疾患(お産以外の女性疾患)の診療を行っています。

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プレコンセプション・妊活セミナー 卒業生のお話

<2024年11月30日開催>

はじめまして。私は、セントルカで約2年間の治療期間を経て、体外受精で第1子を授かることができました。
今日は私が体験してきた不妊治療や、その中で感じたことをお話させていただきます。皆さんそれぞれ、悩みや状況は違うと思いますが、何か1つでもお役に立つことがあればと思っています。よろしくお願いいたします。

まず、私が不妊治療を始めたきっかけや治療について、体験談をお話させていただきます。結婚当初から子どもは欲しいと思っていたのですが、結婚後半年経っても授からなかったためセントルカに通い始めました。当時31歳だったのですが、生理開始が高校生と遅かったこともあり、何か私に原因があるかもしれないと思い、とにかく早く病院に行ってみようと思いました。夫に病院に行ってみない?と話をするときは少し緊張しましたが、一緒に病院で検査をすることになりました。
そこからひと通りの検査をし、私は多嚢胞性卵巣症候群という排卵が起こりにくい体質であること、また夫も精子の所見があまり良くなく、精索静脈瘤であることが分かりました。お互いに薬を飲んだりしながら、先生の言う通りタイミング法から始めました。

タイミング法では、主に卵胞を育てる薬を飲み、排卵の数日前には排卵を促す注射をします。フルタイムで仕事をしていたので、通院は主に土曜日に行っていました。ただ、卵胞の状態によっては平日通院する必要がありました。職場の方にも相談し、夕方少し早めに仕事を終わらせてもらい閉院ぎりぎりにダッシュで病院へ行っていました。ただ、こうして準備を整えても、なかなかタイミングを取ることができないこともあり、涙する日もありました。どうしても、女性と男性では妊娠に対する熱量が違う場合もあるかと思います。こうした夫婦間での意識の違いでストレスがたまることも多々ありました。ただ、そこで折れずにきちんと向き合って話をできたことはとても良かったと思っています。やはり最後に支えになってくれたのは夫でしたし、子どもが生まれる前に夫婦2人の時間を多くとれたのはとてもよかったです。妊娠したらできないような予定(海に行ったり、ゴルフをしたり)を入れることで、妊娠していなくても楽しみがあるような状態にしていました。

その後、タイミング法でもなかなか授からず、腹腔鏡手術で他に原因がないかを探りました。これでも特に大きな原因は見つからず、その後も妊娠に至らなかったため、最終的に体外受精をし、2回目の移植で妊娠に至りました。体外受精では、採卵で13個の卵がとれたのに、治療が進み体外受精へステップアップするかという段階になったとき、夫婦で少し悩みました。そこまでする必要があるのか。体外受精に対する抵抗がとても大きかったのです。ただ、調べてみると、近年では約10人に1人の子どもが体外受精で生まれているということを知りました。そんなに!と驚くと同時に、珍しいことではないんだと少し安心した気持ちになりました。このまま、子どもが出来ないことで悩むのは嫌だったので、もうとにかくできることは何でもやってみよう、という気持ちになりました。

体外受精を始めると、通院や入院が必要な場面も増え、仕事を休んだり早退する日もあったので、仕事を辞めるという選択肢もでてくるかと思います。私は、仕事が忙しいことで、逆に不妊治療のことを考えずに済んだので、仕事があって良かったと思っています。仕事を続けたい人は、職場に相談しておくことがとても重要だと思います。私の場合は職場の方がとても理解があったので、あまりストレスなく通院することができました。

不妊治療のつらいことは、ゴールが見えないことだと思います。今月できるかもしれないし、2年後かもしれないし、ずっとできないかもしれない。毎月、今月こそ!と思ってそわそわするものの生理がきて落ち込む、という日々が続き、終わりが見えない暗闇にいるような気分になりました。いくら治療を頑張っても、食事に気を付けたり、毎日サプリを飲んでも、それが結果に直結するわけではありません。もちろん、治療を頑張らなければ何も始まらないのですが、受験勉強のようにやったからといって必ずしも結果に結びつかないのが辛いところです。治療期間が長くなってくると、こんなに頑張っているのに、なんで私だけ…と暗い気持ちになりました。そんな時に私が助けられたのは、SNSでした。同じように不妊治療を頑張っている人の投稿を読んでとても救われました。辛いことも少し面白おかしく漫画にしていたり、沢山の愚痴を読むことで、みんな同じように悩んでいるんだなと共感でき、こんなにへこんでいる場合じゃない、と思えました。
また、不妊治療をしていることを周りに話すと、意外と「私もしてたんだよ!」という人がいて驚きました。ある時は、仕事でクライアントの方と話をしている中で、「僕も体外受精で子どもができたんですよ。」と話してくださった方がいて、変な仲間意識ができました。不妊治療はみんなが経験するものではないため、なかなかこの辛さを分かってもらえないこともありますが、その辛さを知ることができたのはよい経験だったなと今は思えます。

最後に、不妊治療を始めたとき、1番はじめに不安だったのは、どれくらいお金がかかるのだろうという事でした。イメージでは2〜300万くらいかかるのかなと想像し、大丈夫かな、これ以上かかることもあるだろうし、かけてもできないこともあるんだよなぁと不安になりました。しかし、2年間でかかった金額は、実際には約30万円でした。実際に窓口で支払った金額はもっと多いのですが、高額医療費制度により還付があったため、想像していたよりお金はかかりませんでした。これは、ちょうど私が体外受精を始めた年から保険適応が始まったことも大きく、とてもありがたかったです。金銭的負担を考えて躊躇している人がいたら、ぜひ参考にされてみてください。

不妊治療はとても負担が大きいですし、やったからといって妊娠が保証されるものでもありません。ただ、治療をしなければ可能性すらないことも事実です。出産して思うことは、子どもは本当にかわいいです。泣いて怒っている姿でさえ、とても愛おしいです。精神的な負担もとても大きいと思いますが、日々の生活を楽しく過ごし、その中で淡々とやるべきことをやる、というのが大切かと思います。
まだ治療を始めようか悩んでいる方もいらっしゃると思いますが、個人的にはまずは病院へ行って治療を始めてみることをおすすめします。やはり年を重ねるとそれだけ難しくなるので、ひとまず行ってみて、やっぱり無理、きついと思ったら辞めるのでもよいと思います。私ははじめ不妊症であることを恥ずかしく思っていましたが、今は背が高い低いと同じ体質なんだと思っています。病院へ行くことは恥ずかしいことでもないし、自分の体を知るためにとても大切なことです。皆さんが笑顔で赤ちゃんを迎える日がくることをこころからお祈りしています。そして、この場をお借りしてセントルカの院長をはじめとする先生方やスタッフの皆様に感謝申し上げます。つたない話でしたが、ご清聴ありがとうございました。


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