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セント・ルカ産婦人科では不妊治療と一般婦人科疾患(お産以外の女性疾患)の診療を行っています。

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着床前胚染色体異数性検査(PGT-A:Preimplantation genetic testing for aneuploidy)

当院は着床前胚染色体異数性検査(PGT-A/SR,PGT-M)の認可施設です。


PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)対象拡大について

2025年9月8日付で日本産科婦人科学会よりPGT-Aに関する細則の改定が発表されました。
これまで反復着床不全や反復流産の方に限定されていた検査対象に、
女性が高年齢の不妊症の夫婦(女性年齢が35歳以上を目安とする)が追加されました。
当院もこの改定に基づきPGT-Aを実施いたします。
PGT-Aに関する治療は、公的医療保険の適用外のため、全額自己負担です。
PGT-Aについて詳細な説明や適応かどうか知りたい方は、一度来院の上、医師へご相談ください。

現在のPGT-A/SRの適応

(1) 2回以上胚移植しても妊娠しなかった方
(2) 2回以上流産経験がある方
(3) 女性年齢が35歳以上の不妊症の方
(4) 染色体に構造異常があると診断された方



先進医療BのPGT-A/SRについて

徳島大学と当院、他2施設の医療機関からなる研究グループにおいて、PGT-Aが流産予防、妊娠率の向上に有益な技術であるかを検証するための研究を開始しました。
本研究は、先進医療として実施され、PGT-Aの有効性が認められれば、将来的に保険収載されることが期待されます。
現在対象外の方も、PGT-A/SRへ入る準備を進めることは可能です。実施可能な期間に限りがありますので、ご希望の方はお早目にご相談ください。


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お申し込みGoogleFormhttps://forms.gle/9UZ3n2yjNtLRga7R8



PGT-Aとは

PGT-Aとは、体外受精で採取し胚盤胞に発育した受精卵の一部から染色体の本数を調べる検査です。
人の染色体数は46本ですが、形態良好な胚盤胞へ発育した受精卵であってもある程度の割合で染色体の数的異常があることが知られており、着床しない原因や流産の原因となります。
そこで、受精卵の一部の細胞を採取し、染色体の数的異常を調べ、過不足の無い受精卵を移植することによって着床率を上げ、流産率を減らすことが可能かを調べる目的で実施されることになりました。



検査の対象者

日本産科婦人科学会「不妊症および不育症を対象とした着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)に関する細則」より

着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)の対象は、以下の1), 2), 3)のいずれかに該当する夫婦とする。
1)反復する体外受精胚移植の不成功の既往を有する不妊症の夫婦
2)反復する流死産の既往を有する不育症の夫婦
ただし、1), 2)について夫婦のいずれかに染色体構造異常(均衡型染色体転座など)が確認されている場合を除く
3)女性が高年齢の不妊症の夫婦

現時点(2025年9月時点)では、女性年齢は35歳以上を目安とする
※3)は、先進医療Bで行う場合は対象とはなりません。

着床前胚染色体構造異常検査(PGT-SR)の対象は、以下とする。
夫婦いずれかの染色体構造異常(均衡型染色体転座など)が確認されている不育症(もしくは不妊 症)の夫婦。ただし,妊娠既往もしくは流死産既往の有無は問わない。




染色体の検査方法

胚盤胞から採取した細胞は5から10細胞程と少なく、このままでは検査ができません。
まず最初に細胞に 含まれるDNAを検査できる状態へ増幅します(全ゲノム増幅)。
その後、増幅させたDNAを次世代シーケンサーという機器を用いて解析することで染色体数の過不足を調べます。


日本におけるPGT-Aの成績

日本ではこれまで倫理的側面からPGT-Aは禁止されてきました。
しかし、次世代シーケンサーなどの 解析方法が新たに開発され、海外で妊娠率の向上、流産率の低下が報告されるようになり、 日本国内に おいても高齢患者さんの増加や原因が分からずに 流産を繰り返す患者さんが多くいる現状を鑑み、2017年より日本産科婦人科学会主導のもと、当院を含む国内4施設においてPGT-Aのパイロット試験が実施されました。


PGT-Aのメリット・デメリット

メリット
・染色体数が正常の受精卵を移植することで妊娠率の向上が期待でき、何度も胚移植を繰り返すことを回避できる。
・染色体数の過不足が原因で起こる流産を回避できる。

デメリット
・胚盤胞から数細胞を採取することで受精卵へダメージを与える可能性がある。
・診断の精度は100%ではない為妊娠の可能性がある胚を廃棄することが考えられる。
・検査結果によっては正常か異常か明確に判断ができない場合がある。

日本におけるPGT-Aの動向

パイロット試験の結果をふまえ、2020年1月より日本産科婦人科学会によりPGT-A特別臨床研究が開始となり、当院も研究分担施設として認定され、参加してきました。
この研究は2022年8月をもって終了し、9月より新見解・細則に則り実施されています。
2025年7月より、当院では先進PGT-A/SRを実施しています。


PGT-A実施までに必要な事

必要事項全てを行い、PGT-Aを希望する場合は同意書を提出していただき、
PGT-Aの体外受精のための排卵誘発を開始します。


セント・ルカ産婦人科セント・ルカ産婦人科

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